“思いやり”溢れる地域を目指して。
【前田敦子さん】美山町芦生の森でのハイキングで南丹市の魅力に惹かれ、ネイチャーガイドの仕事を始める。現在は南丹市の地域おこし協力隊としても活躍中。
2006年に園部町・八木町・日吉町・美山町の4つが合併して誕生した南丹市。その南丹市で〈地域おこし協力隊〉として活躍する前田さんは、この龍の森の舞台である日吉町に移住したうちのひとりである。地域おこし協力隊とは、地方自治体が募集を行い地域外の人員を積極的に受け入れることによりその活動を通して地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度であり、日吉町のある南丹市でも近年定住促進に関する様々な施策の推進に取り組んでいる。前田さんが日吉町に住まいを構えたのは2016年のこと。縁あって紹介された現在の家をみて即決したという。目の前には雄大な棚田風景が広がる抜群のロケーション。とはいえ田舎暮らしに対して不安などはなかったのだろうか。 「私は石川県の出身なんですが、なんとなくこの辺りって私の実家の雰囲気と似ているんです。むしろ日吉町は実家よりも交通の便が良いので住むことにあまり抵抗はなかったですね。実際住んでみて驚いたのはご近所付き合いが盛んなこと。家に帰ったら玄関に野菜が置かれていたり(笑)」
現在、美山町芦生の森のネイチャーガイドとしての活動も行っている前田さんは、日吉町の山々を開拓してガイドを行っていきたいという展望もあるという。「日吉町には今もたくさんの峠道が残っています。龍の形が現れた日吉ダムのあたりから生畑まで繋がるルートを地元の方たちが整備してくださったので、今後そこを生かしていきたいですね。他にも、さまざまな伝説があったり、由緒正しい寺院もあります。本当に奥深くて素敵な場所です」
たくさんの資源がある日吉町だが、一番の資源は「人」だと話してくれた前田さん。もっと人と人とが関われる場を作り、思いやりの溢れる交流ができる地域を目指したいという。
【Mini Column】
日吉町世木地域では、春の「せつぶん草まつり」、夏の「牧山の松明行事」、秋の「棚田ひなまつり」など季節ごとに魅力溢れるお祭りが開催されている。このようなお祭りや地域の集まり(講)など、昔ながらの文化が姿を変えつつ今も受け継がれている。
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